一夜からはじまる恋
「すみません!」
「びびった~。大丈夫。大丈夫?」
「はい。」
思わずつかんでしまった湊の手から自分の手をぱっと放した樹はまた正面を向いて歩き始めた。

そこから二人は何となくぎこちなくなりほとんど話さなかった。

「大丈夫?一緒に行こうか?」
湊の言葉に樹は「大丈夫です。待っていてください。」
と告げて一人女子トイレに向かった。

ライトで照らしながらヒントのカードを探す。その時
「ギャーッ!!」という樹の叫び声に湊がトイレに駆け込んできた。
「どうした?」
湊の目の前には床に倒れる樹の姿があった。慌てて樹の横にしゃがむ。
< 13 / 349 >

この作品をシェア

pagetop