一夜からはじまる恋
湊は樹をソファに座らせる。
「2週間安静にするように言われました。」
「うん」
「鉄剤と張り止めをもらいました。」
「うん」
「出血やお腹の痛みがあったらまた病院に来るように言われました。」
「うん」
樹の瞳から流れ続ける涙を湊の大きな手が拭っていく。

「不安でした」
「うん」
「赤ちゃん・・・」
「うん」
「大丈夫かな・・・」
「うん」
泣き声になる樹の背中をさすり湊は樹の肩を抱き寄せた。
< 136 / 349 >

この作品をシェア

pagetop