一夜からはじまる恋
「私は彼の両親に彼の延命措置を続けてほしいと言い続けていたんです。彼を失うことなんて考えられなかった。眠り続けていても彼がとっても温かくて・・・そのぬくもりがあれば生きていられると思ったんです。」
樹は瞳を閉じたまま肩を震わせながら話し続ける。
「私のエゴで彼を生かし続けて・・・彼に奇跡を願い続けていたのに私は彼を裏切った。自分でもどうしてかわからないんです。あの夜・・・どうして・・・」
湊は樹の手に自分の手を重ねた。
「それは俺だって同じだ。あの夜は自分自身にも説明がつかない。今まで感じたことのない感覚だった。逆らえない力があったかのようにすごく自然だった。」
「・・・でも彼を裏切ってしまったことに変わりはない。最後の最後に裏切ったのに、彼は亡くなる前にたくさん奇跡を贈ってくれました。私なんかを待ってくれた。涙を流してくれた。なのに・・・」
湊は樹の体を抱きしめた。
樹は瞳を閉じたまま肩を震わせながら話し続ける。
「私のエゴで彼を生かし続けて・・・彼に奇跡を願い続けていたのに私は彼を裏切った。自分でもどうしてかわからないんです。あの夜・・・どうして・・・」
湊は樹の手に自分の手を重ねた。
「それは俺だって同じだ。あの夜は自分自身にも説明がつかない。今まで感じたことのない感覚だった。逆らえない力があったかのようにすごく自然だった。」
「・・・でも彼を裏切ってしまったことに変わりはない。最後の最後に裏切ったのに、彼は亡くなる前にたくさん奇跡を贈ってくれました。私なんかを待ってくれた。涙を流してくれた。なのに・・・」
湊は樹の体を抱きしめた。