一夜からはじまる恋
「樹」
優しい湊の呼び掛けに樹が目を開けるといつの間にか自分が眠っていたことに気がついた。

「ごめんなさい。」
湊に料理をしてもらいながら眠ってしまった自分に恥ずかしがる樹に
「眠くなるのもつわりの一種だって言うだろ?俺は全然気にしない。むしろ見られなくてよかったよ。」
視線をそらす湊に樹が聞き返す。
「なにを?」
「なんでもない」
「焦げ臭い」
「うそ!わかる?!」
「うそ」
「はめたな~!ごはんできてるんだ。食べる?」
と湊は樹の体を起こした。
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