一夜からはじまる恋
それでもまだ息苦しくてリビングのソファに横になる。

しばらくして「樹?」と湊が自分を呼ぶ声が聞こえた。

「どうした?」
樹は体を起こそうとしてめまいに襲われる。
「ちょっとおかしい…」
そう言うのが精一杯だった。

湊が脈をみたり熱を測ったり、胎動を調べる間も樹は意識がもうろうとする。湊は樹の様子を見て「病院にいこう」と荷物を用意した。

夜中湊の運転で病院につく頃には樹の意識はほとんどなかった。
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