一夜からはじまる恋
数日後。
樹の病室には廉や葵、理恵や理恵の元旦那、陸の両親、樹の両親、湊の両親、たくさんの人が訪ねてきていた。

「小さい」
「落とすなよ」
「うん」
こわごわと永遠を抱く葵を廉が両手で包み込む。廉と葵二人に抱かれて永遠は満足そうに眠っている。
「かわいいね」
「あぁ。小さいな~」
「ね。」
「こんなに小さいのにあったかい」
葵の瞳から涙が流れる。
「ちょっと廉、拭いて」
その涙を廉が拭う。そして廉が葵に微笑みかける。葵も廉に微笑む。
命の重みを感じながら感謝をせずにはいられなかった。
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