一夜からはじまる恋
「せっかくのデートなのに・・・」
湊に対して申し訳なく思った樹。湊は樹の手をそっと握った。
「俺も、永遠のいない時間は違和感でしかない。それに子供の声がすると今頃永遠何してるかなーって気になって仕方ないし。おいしいもの食べれば永遠にも食べさせてあげたいなって」
同じ思いでいてくれた湊に樹が顔をあげて嬉しそうに微笑む。
湊は本当にいいパパだ。

平日は仕事で忙しくても休日は樹を休ませようと、永遠を連れて公園に行ったり、二人でドライブに行ってくれる。
永遠がテレビアニメのキャラクターに興味を持つと、ネットでそのキャラクターのショーを見つけて、週末連れて行ったり、出張の時はその地域限定のキャラクターのグッズを買ってくる。
早く帰れるときは永遠と一緒にお風呂に入ったり、夜の寝かしつけも率先してやってくれていた。

初めての保育園での運動会では保護者競技に参加して、たくさんのママたちから声援をもらうほど大人気だった。

「うれしい。永遠を同じように大切に想ってくれて。」
「当たり前だろ。あんなにかわいい子、この世にいない。」
多少の親ばかも樹には愛しく感じた。
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