一夜からはじまる恋
二人は会話などほとんどなく過ごした。そしてしばらくして
「連絡先、教えてくれないか?」
という湊の言葉に樹は体を離した。

「双葉さんとこれからも会いたい。社長と社員としてじゃないときもこうして。」
湊の言葉に樹は自分のバックから携帯電話を出す。

真っ暗な夜に急に明るいディスプレイを見たからか樹はめまいを感じた。

「ごめんなさい・・・ちょっと・・・気分が・・・」
「?」
そういうと樹の体から突然力がぬけて湊は慌てて抱きとめた。
「おいっ!!」
華奢な体を抱きしめながら湊は樹の名前を呼んだ。
「双葉さん!?樹?樹!」
何度呼んでも樹は意識が戻らなかった。
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