たとえ叶わなくても
「また来てるの」



学校から帰ると

幼馴染の蓮が家に来ていた。



「やっほ〜」



相変わらずマイペースな挨拶をして

人の家のアイスを我が物顔で食べている。イラ。




台所に寄って私もアイスを手に取って

リビング横の階段を上がって部屋に入ると

湿気と暑さでむわーんとしていて、

めまいがするほど暑苦しい。



温度計を見ると、38度。

この部屋だけ西日が入るから

異常に温度が高くなる。





「部屋暑くないの?」




着替えをしているときに蓮が何食わぬ顔で入ってきて

思わず「馬鹿じゃないの!!」と叫んでしまった




「ワーオ!ごめんごめん」

と言ってそそくさと部屋から出て行ったかと思えば

「でも見せる胸なんてないでしょ??」

と外側から会心の一撃を食らう。



いつも一言多くて

言い返す気力も残らない。
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