先生のそばにいたかった…
先生との出会い

私の日常

私、櫻井夕桜。(さくらい ゆお)
ごく普通よりちょっと地味な中学3年生。
友達もろくにいない。恋愛なんて尚更。
「おはよう。夕桜。」
「お母さん…おはよう。」
お母さんが挨拶するなんて基本仕事が上手くいってる時。
仕事が上手くいかない時は私に八つ当たりしかしない。
だからそんな母が正直…怖い…。
(ガチャ)
(はぁ、学校行きたくないなぁ)
そんなこと思いながら学校にゆっくり向かう。
(ガラッ)
(うっ…今日もこの空気…あの日から)
慣れてると思っていたけどやはり慣れてはいなかった。
仲の良かった、神崎 羽那。(かんざき はな)
羽那は今では私のことをいじめる側にいる。
昔は仲良かったのにな…。
「学校来てんじゃねーよブス。」
「「羽那、言い過ぎ〜笑笑」」
羽那の取り巻きの、星野と石井。
元々は星野と石井が羽那をいじめてたのにな。
今では立場逆転ですか。
いつものことだと思いながら自分の席に着いた。
(ガラッ)
「みんなー、SHR始めるぞー。」
この人は、私のクラスの担任、相澤先生。
「〜ってことで今日も頑張れ。以上。」
「気をつけー礼ー。」

「櫻井、ちょっといいか?」
「はい。」
呼ばれた理由はわかっていた。高校選択の話だろう。
「お前だけなんだ、進路決まってないの」
「それは知ってます。でも行きたいとこがないんです。」
「親御さんとも話さないのか?話さないなら今日三者め…」
そういう先生の言葉を塞ぐように、
「親は、親の話は大丈夫です。
行きたい高校は私が決めるって言ってあるので。」
「そうか…なら今週中には何校か絞っといて今週末にある高校説明会に行ってこい。」
「分かりました…。」
そう言うと先生は一限があるからと言い、職員室に向かっていった。

キーンコーンカーンコーン
あ、本鈴なっちゃった。いいや、サボろ。
本当の私はいじめられっ子なんかじゃない。
バスケ部と生徒会に入っていた。
生徒会は今でも続けてるが、バスケ部は色々あって引退前に辞めてる。
バスケが嫌いになった訳でもない。
むしろ今でも好きだ。ほんとは。

家帰って高校選びしようかな。
学校にいたって、あと一ヶ月後にある入試で3年生は毎日自習。いてもいなくても授業が無いから意味が無いのだ。



(ただいま)
そんなこと言っても誰もいないのは分かっていたから心の中で挨拶をした。
親は仕事人間なので毎日のように家にはいない。たまにふらっと帰ってくる。

高校…どこにしよう。
高校のパンフレットを見ながら、制服が可愛いなぁとかここは学校行事が楽しそうだなぁとか思いながらめくっていた。
(あっ…月星学園…ここ芸能人もいる学校だ…私とは程遠い人たちがいる学校。)
でも何故か私はこの学校が頭から離れなかった。
有名人に会いたいわけじゃない、芸能人になりたいわけでもない。
でも、ここだっ!と運命を感じた。


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