俺が夢を叶えた理由
ブラジルでは、パーティーが多い。親戚の集まりなどもしょっちゅうある。そのため、くるみは何着かドレスを持っているし、ハウルも高価なタキシードなどを持っている。

「ハウル、女装するんでしょ?」

「もちろん!ベルナルドから頼まれたからな」

ハウルはニコニコしながら言う。二人で前に買い物に出かけた時に、金髪ロングのウィッグと派手なワンピースを買っていた。

ハウルは常識人に見えて頭のネジが飛んでいる。「女装しろ、モノマネをしろ」と言われればノリノリでやってしまう。

「もしかしたら、くるみよりもかわいくなるかもな」

ハウルの言葉にくるみは、「いやいや、それはないでしょ!」と苦笑した。

その夜、いつものようなかっこいいタキシード姿ではなく、ウィッグをつけワンピースを着て、赤いハイヒールを履いたハウルと、ネイビーのワンピースを着たくるみが、パーティーに招待された男性にナンパされたのは別のお話。
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