sugar*honey
『ママ、俺先に着替えてくるよ。いつまでも制服着てたらお客様きちゃうし。』

『あらそう?早く来てね。私、映人君がくるまで我慢して飲まなかったんだから。』


残念そうなママに背を向けて、カウンター裏の小さな部屋に滑り込む。
3つならんだロッカーの右端に、僕のロッカーはあった。

ブレザーを脱ぎ、店専用のボーイ服に袖を通す。
ほのかに洗濯洗剤の匂いが香った。

美恵子さんが、きっと洗っておいてくれたんだ。


『お待たせ、ママ。』

既に座ってグラスを回していたママの隣に腰かけると、ママが眉をしかめた。

『遅いわよ、もぅ。』

少しだけふくれたママは、一旦グラスをおいて僕のネクタイに手をかけ、緩くした後にワイシャツのボタンを2つ外した。
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