追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
カーゴは長い間を置いて、俯き加減で重く答えた。
「そっか」
聞かされた瞬間、ふわりと頬が緩む。緊張で強張っていた体からも、フッと力が抜けた。
「すまない」
カーゴは俯いたまま、申し訳なさそうに付け加えた。
「どうして謝るの? 私は嬉しいの。だって、誰にでも隠し事のひとつやふたつはあるでしょう? ないって言う方が、それこそ嘘よ」
カーゴはゆっくりと顔を上げた。澄み切ったグリーンの瞳の美しさに、私は思わず息をのんだ。
「ならば、君にもあるのか?」
「ふふふ、どうかな? もしかしたら皆を欺く特大の隠し事をしていたりしてね?」
私はあえて軽い調子で答えてみせた。
だけどカーゴは、笑ってはくれなかった。射貫くように強い目で、ジッと私を見つめていた。私もカーゴから視線が逸らせなかった。
カーゴが真剣な表情のまま、ゆっくりと口を開く。
「俺はいつか、隠し事や秘密、心の内も全て君と分かち合いたいと望んでいる」
ドクンと胸が大きく跳ねた。