追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
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一日の営業を終え、自宅で夕食を食べている時、ふと脳裏に心配事が過ぎった。
「私、金庫の鍵を掛けたっけ?」
必死に閉店時の記憶を辿ってみるも、金庫の施錠の部分だけ記憶がポッカリと抜けていた。
……うーん、分からない。ただしこういうケースは、覚えていないだけで大概は、一連の流れの中で掛けていたりする。
私も記憶から抜けてしまっているだけで、実際は掛けていると思うのだ。
うん、きっと明日で大丈夫……
「って、そんなわけない! 金銭管理の徹底は基本! 不安なら、確認しなきゃ駄目!」
私は残りのピラフを一息で口に押し込むと、ランタン片手に自宅を飛び出した。
「やっぱりね……。掛かってるんじゃないかって、思ってたんだ」
そうして実際に確認をしてみれば、案の定金庫はしっかりと施錠されていた。
「だけど物っていうのは考えようだよね。ずっと心配したままいるより、スッパリ出てきちゃって大正解。よしとしよう!」
そう思い直し、私は足取り軽く店を出た。
夜のマイベリー村はとても静かだった。王都には夜通しで楽しむ店もあるけれど、マイベリー村にそんなものはない。