追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました
……あぁ、長かった。だけどついに、悪役令嬢をお役御免出来た――!!
私が涙ながらに歩み寄ると、学園長はギョッとした様子で一歩後ろに下がった。私は構わずに手を伸ばし、強引に学園長の手を掴むと、ブンブンと振り回しながら感謝を伝えた。
「はいっ! ありがとうございます! ありがとうございます!!」
学園長をはじめ、全員がドン引き……いや、奇妙な物でも見るような目を向けていた。
「……もういい。行きなさい」
「はいっ! 失礼します!」
学園長が呆れ声で告げた瞬間、私は掴んでいた手をパッと離し、嬉々として扉に向かう。
……う、うっ、嬉しいよ――っ!! 扉が閉まった瞬間、私は興奮を抑え切れず廊下をスキップで駆け抜けた。
ここから私の第二の人生のスタートだ! 楽しんで、楽しみまくって、楽しみ尽くしてやるぞ!!
周囲から突き刺さる胡乱な視線もなんのその。私の心は未来への明るい展望にうきうきと弾んでいた。