追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました


***


「アイリーン・オークウッド、またお前か! 本当にいい加減にしろ! どうしてお前はこう、何度もトラブルを起こすんだ!」
 終業後のホームルームで、私は教壇前に立たされていた。こんなふうに教師から叱責を受けるのは、今月でもう四回目。度重なる私の問題行動に教師は激昂していたけれど、私はそんな教師を余所に、記憶の中の『桃色ワンダーランド』のシナリオを思い起こすのに忙しかった。
 ……ええっと、トータルで数えると、これで呼び出しも両手の指の数くらい。となれば、きたる退学イベントも、きっともう間もなくだ――!
 明るい想像にパァッと頬が綻びかけて、私は慌てて口角を引き締めた。
 ちなみに、『桃色ワンダーランド』というのは、私が前世の日本で夢中になっていたゲームの事。ゲーム中のミッションをクリアしながら意中の男子生徒との関係を深めていく、女性向け恋愛シュミレーションゲームだ。……え? なんで中世ヨーロッパふうの世界に生きる私がそんな事を知っているのかって?

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