今、私はそれを捨てに行く。
バカだったあの時
私には、好きな人がいた。
彼と私の母親も仲が良かったから、よく彼の家に遊びに行ったし、誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントを渡し合ったりもしていた。だから私は、彼にとって1番仲が良い女の子は自分だと思っていたし、実際に私にとって彼は1番仲が良い男の子だった。
それはある年のバレンタインに起こった。バレンタインは大好きなイベントだった。デパートや地元のスーパーに、可愛い様々な種類のチョコレートが沢山並べられるのを見ると凄くワクワクした。
当時の私にとってバレンタインというのは、女の子が好きな男の子にチョコレートを渡す日ではなく、大好きなチョコレートが沢山食べられる日だった。
私はいつも通り、彼にチョコレートを渡す予定だった。適当に渡そうと考えていた時、仲の良い友達が2人、私に話しかけてきた。
「私たち、今日告白しようと思うの」
それを聞いた途端、一気にテンションが上がったのを覚えている。まさか友達がバレンタインに告白だなんて、まるで少女マンガに出てくる主人公の親友にでもなった気分だった。私には友達が、いつもよりずっと可愛く、キラキラしてみえた。
「凄いじゃん2人とも。誰に?」
まさか彼が告白されるなんて、考えたこともなかった。焦りを抱えていた。それは何に対してだったのかは分からない。
2人が口にした彼の名前が、私の耳から離れなかった。
「頑張ってね」
その時放ったこの言葉は、きっと本心。
彼と私の母親も仲が良かったから、よく彼の家に遊びに行ったし、誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントを渡し合ったりもしていた。だから私は、彼にとって1番仲が良い女の子は自分だと思っていたし、実際に私にとって彼は1番仲が良い男の子だった。
それはある年のバレンタインに起こった。バレンタインは大好きなイベントだった。デパートや地元のスーパーに、可愛い様々な種類のチョコレートが沢山並べられるのを見ると凄くワクワクした。
当時の私にとってバレンタインというのは、女の子が好きな男の子にチョコレートを渡す日ではなく、大好きなチョコレートが沢山食べられる日だった。
私はいつも通り、彼にチョコレートを渡す予定だった。適当に渡そうと考えていた時、仲の良い友達が2人、私に話しかけてきた。
「私たち、今日告白しようと思うの」
それを聞いた途端、一気にテンションが上がったのを覚えている。まさか友達がバレンタインに告白だなんて、まるで少女マンガに出てくる主人公の親友にでもなった気分だった。私には友達が、いつもよりずっと可愛く、キラキラしてみえた。
「凄いじゃん2人とも。誰に?」
まさか彼が告白されるなんて、考えたこともなかった。焦りを抱えていた。それは何に対してだったのかは分からない。
2人が口にした彼の名前が、私の耳から離れなかった。
「頑張ってね」
その時放ったこの言葉は、きっと本心。