今、私はそれを捨てに行く。
 告白の返事は至って普通だった。告白してくれて嬉しい、とかだった気がする。それに対しては何も思わなかった。別に私も付き合って欲しいなんて伝えていないし、何よりそういう意味で好きではなかったのだから。

 _____彼のことは好きではない。彼はただの友達で、あの子のことも、その子のことも、私は別に好きではない。

 またまた時は過ぎ、彼と私は学校が別々になった。親同士の関係は続いていたが、一緒に遊んだり、家に行ったりはしなくなった。仲が悪くなったというよりは、きっとそういう年頃だったのだと思う。

 いつも通りの毎日だった。心の中で何かもやもやしたものを抱えて過ごすのにも慣れていた。たまにやり取りする彼とのLINEは楽しかった。そしてその日も、そのたまに訪れる楽しい日と同じはずだった。

 _____彼女が出来た。

 苦しくなった。おめでとうって言わなければ。彼女が出来るなんて喜ばしいことじゃないか。今まで友達に何回も言ってきた言葉なのに、何故か出てこなかった。言いたくなかった。文字を打っては消して、消しては打った。結局、適当に返信をして、会話を終わらせた。こんなに楽しくないLINEは初めてだった。

 私は彼のことが好きなんだと、その時気づいた。

 _____バカだったあの時のことを、私は後悔していますか?
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