Amor a primera vista
黒いワンピースに黒いスキニーパンツ。ほんのりとしたブラックトーンのコーデだ。

「あ、そろそろね」

すみれは少し早めに家を出る。異性とのデートなんて久しぶりだ。元彼とは最後の方はデートなんてほとんどなかった。

レストランの前に来ると、もうキロは待っていた。まだ開店前のレストランの前で、青い空を見上げている。

「キロ、Buenos dias(おはよう)」

すみれが声をかけると、キロは驚いた顔をした。すみれは「何よ、お化けが出たみたいな顔して……」と言う。キロは、「来てくれたんだ〜!!」とすみれに抱きついた。

「よくよく思い返せば、僕が勝手に決めたことだから来てくれないかなって思ってて……。嬉しいよ!!」

そう言いながら、キロはすみれをギュッと抱きしめる。ハグなどし慣れていないすみれは、「べ、別にあんたが誘ってくれたから来たわけじゃないわよ!たまたま暇だったからよ!それより離して!!」と早口で言った。体中が熱い。
< 11 / 15 >

この作品をシェア

pagetop