Amor a primera vista
彼は、すみれの好みのタイプではなかった。むしろすみれはチャラチャラした男は好きではない。これだけの関係だと思い込んでいた。

しかし、すみれに彼は話しかけるようになり、いつのまにか交際がスタートしていた。すみれは今まで男性と付き合ったことなどなかったため、苦労をすることになる。

彼はデートに遅刻したり、急にドタキャンをしたりする。すみれが忙しい時間帯や、夜中に関係なくラインや電話をしてきたりする。すみれはだんだん彼との関係に疲れてきた。

しかし、デートをきちんとすれば恋人らしいことをしてくれるので、こういう人なのかとすみれは思っていた。

大学を卒業し、すみれと彼はお互い別々の会社に入社した。社会人になってからはすみれはとても忙しくなったが、彼との関係は続いていた。

社会人になって一年ほどした頃、ある日すみれが住んでいるマンションへ帰ると彼が立っていた。

「会社、やめてきた。アパートの家賃が払えなくなったから同棲しよう!」
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