人生の楽しみ方
 部屋で荷物をまとめる。お互い身軽な身の上だったのでそんなに時間がかからない。

 「で、どこへ行く?」

 「ドライブしながら、気になったとこに入るスタイルで。」

 「そういうの、いいね。」

 君は嬉しそうにピアスを通す。大振りのピアスが光る。

 「どう?似合う?」

 「うん、とっても似合う。ひなさんはセンスが良いよね。」

 「安物だけどね。」

 次に会うときは贈り物をあげてみようかと思う。君に似合う物を選ぶのはちょっと難しそうだけど。そんなことを考えていると君は不思議そうに首を傾げる。

 「どうしたの?」

 「ううん、綺麗だなって。」

 君は少し唇を尖らせて、照れる。君の首筋に今朝の痕を見つけると少し嬉しくなる。だって、君は昨晩から俺の腕の中に居たのだから。

 「さ、行こう。」

 君は頷いて俺の腕を取る。そのまま君と荷物を持ってロビーへ降りた。
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