人生の楽しみ方
 家から近い、ビストロへ君を連れて行った。俺達は体力を使ったから。

 ビーフシチューと温野菜を注文して君と見つめ合う。目線を合わせてクスクス笑う君はとても可愛い。料理が運ばれてくるまで君とふざけあった。

 君は美味しそうに温野菜を口に運ぶ。その様子が可愛くて、ついつい笑ってしまう。君は少し拗ねて口を尖らせる。

 「ひな、可愛い。」

 「恥ずかしい。」

 最後にコーヒーとケーキ頼む。一息入れて周囲を見ると、成る程、チラチラと視線を感じる。君は気にもせず俺に話しかけていたけど、今の傷付いている君には辛いかもしれない。

 「ひな、大丈夫?」

 「今は沢山甘やかされたから大丈夫。」

 君の手を取りながら、ケーキを食べさせてやる。

 「んー、美味し。」

 カシスのムースを味わう君は可愛らしい。

 「ひなのも頂戴。」

 君のチョコムースを食べさせて貰いながら、幸せだなと思う。でも、君はスイーツより甘いんだよ。

 「ひなの方が、甘い。」

 「お家で食べて?」

 クスクス笑いながら俺達はデザートを楽しんだ。
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