人生の楽しみ方
 食事を終えて、君と手を繋いで歩く。やっぱり人にジロジロ見られていたけれど、君は俺だけを見ていて。

 「この視線に耐えるってだけでも、ひなはタフだと思うんだよ。」

 「そんな事無いよ。単に慣れるだけ。」

 「ひなは、人を集める何かを持ってるんだろうね。それは、ギフトなんだろうね。」

 「…でも、私は望んでないの。」

 「そうだね、ひなは望んでない。でも、それが役に立てば受け入れられるのかもしれないね。」

 「役に?」

 「うん、役に立てばね。」

 君はちょっと笑う。

 「そんな日が来たら、望さんに一番に言うね。」

 「うん。」

 君の頬をつつきながら笑う。俺は君が好きでたまらなくて。君は世間の恋愛やセオリーとは離れているけど、でも正しくて、魅力的な女性だった。
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