人生の楽しみ方
 ベッドに横になって、君を背中から抱き締める。

 「安心するの。」

 君は俺の手を優しく握る。

 「明日は買い物へ行って、その後にひなの事をもっと教えて?」

 「私の事?」

 「うん、ひながどうやってひなになったのか、とか。」

 「望さんは?教えてくれる?」

 「うん、教える。ひなには全部知って欲しいから。」

 「望さんはそうなんだね。」

 「えっ?」

 「私は、私の事を教えるのは得意じゃないから。」

 「じゃあ、ゆっくり知るよ。」

 「ううん、聞いて?ちゃんと答えるから。頑張るから。」

 君が愛しい。ちゃんと君なりに俺に真剣なんだろうから。

 「本当はどんなひなでもいいんだ。でも、もっと知りたくなる。不思議だね、こんなにひなを好きになるなんて。」

 「望さん…。」

 「お休み、ひな。」

 「お休みなさい、望さん。」

 俺達は手を握りあって、ゆっくりと眠った。
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