人生の楽しみ方
君と身体を重ねて、俺は君に近付く。君は脱力しながら俺の腕の中。
「ひなは、昔からこうだったの?」
「ううん、そんな事無いよ。」
ちょっと驚く。この素直さは、君が子供の頃から持っていた物なんだと思ってたから。
「私は、ぼんやりした子供だったの。いつも、頭の中は忙しかったんだけど。」
「想像できない。」
「私の親はね、他人の気持ちに配慮なんて全くしない人間だった。だから、ぼんやりして自分を守ってたのかもしれないね。家族から仲間外れにされたって、平気だった。頭の中に、優しい味方がいたから。」
「ひな。」
君を抱く腕に力が入る。子供の君が独りぼっちで家族を眺める姿を想像すると、とても苦しくなる。
「まあ、そもそも他人に興味が無かったし、今でも無いしね。比較する事に意味が見出だせないの。」
君は笑ってみせる。
「でも、俺の事は興味持ってくれた。」
「うん。勝手な決めつけばかり言われて育って、感情を出すのが苦手になったの。だから、今は自分を探してるところ。本当の私のしたい事や、欲しいもの。自分を好きになる為に、綺麗になって。」
「君は真面目すぎる。」
「でも仕方ない。そうやって育ってしまったし。」
「でも、そんな君が好き。」
君はとても愛らしく微笑む。君の過去は辛く苦しいものだったろう。でも、君はそれを受け入れ、飲み込み生きている。ただ自然に自分の物にしている。
「後は言った通り。頑張って仕事をしていたけれど、私は社会からいらないと言われた。氷河期のレッテルは剥がせなくて。女だしね。」
「ひな。」
「望さんを信じたい。でも、男の人が信用できない。」
「だったら、信用して貰えるまで何度も何度もひなにお願いする。俺を見てって。」
「そんな風にさせたい訳じゃない。」
「でもその位、ひなに信用されたい。」
君は切ない瞳で、俺を優しく撫でる。君はきっと苦しいんだ。
「君がいい。」
「望さんて、優しい良い人なのね。ちゃんと分かってなかった。」
君にだけだよ。優しくするのも良い人なのも。俺は君を胸に抱いて強く想う。
「ひなが愛しくなった。」
君はとても優しい顔で微笑んで言った。
「私も望さんが愛しい。」
俺達はまた、肌を重ねた。
「ひなは、昔からこうだったの?」
「ううん、そんな事無いよ。」
ちょっと驚く。この素直さは、君が子供の頃から持っていた物なんだと思ってたから。
「私は、ぼんやりした子供だったの。いつも、頭の中は忙しかったんだけど。」
「想像できない。」
「私の親はね、他人の気持ちに配慮なんて全くしない人間だった。だから、ぼんやりして自分を守ってたのかもしれないね。家族から仲間外れにされたって、平気だった。頭の中に、優しい味方がいたから。」
「ひな。」
君を抱く腕に力が入る。子供の君が独りぼっちで家族を眺める姿を想像すると、とても苦しくなる。
「まあ、そもそも他人に興味が無かったし、今でも無いしね。比較する事に意味が見出だせないの。」
君は笑ってみせる。
「でも、俺の事は興味持ってくれた。」
「うん。勝手な決めつけばかり言われて育って、感情を出すのが苦手になったの。だから、今は自分を探してるところ。本当の私のしたい事や、欲しいもの。自分を好きになる為に、綺麗になって。」
「君は真面目すぎる。」
「でも仕方ない。そうやって育ってしまったし。」
「でも、そんな君が好き。」
君はとても愛らしく微笑む。君の過去は辛く苦しいものだったろう。でも、君はそれを受け入れ、飲み込み生きている。ただ自然に自分の物にしている。
「後は言った通り。頑張って仕事をしていたけれど、私は社会からいらないと言われた。氷河期のレッテルは剥がせなくて。女だしね。」
「ひな。」
「望さんを信じたい。でも、男の人が信用できない。」
「だったら、信用して貰えるまで何度も何度もひなにお願いする。俺を見てって。」
「そんな風にさせたい訳じゃない。」
「でもその位、ひなに信用されたい。」
君は切ない瞳で、俺を優しく撫でる。君はきっと苦しいんだ。
「君がいい。」
「望さんて、優しい良い人なのね。ちゃんと分かってなかった。」
君にだけだよ。優しくするのも良い人なのも。俺は君を胸に抱いて強く想う。
「ひなが愛しくなった。」
君はとても優しい顔で微笑んで言った。
「私も望さんが愛しい。」
俺達はまた、肌を重ねた。