人生の楽しみ方
食事は進み、君との話も弾む。
「ねぇ、ひなさんは何をしてる人?」
「んー、何もしてないの。」
「家事手伝いだ。」
「婉曲に言えばそうかもしれないけど、仕事辞めちゃった。」
「じゃあ、沢山会えるかな?」
ちょっと意外そうな顔をする。
「そう言われるとは思わなかったな…。でも、お茶する位は大丈夫。」
「じゃあ、また誘っても構わない?」
「うん、タイミングが合えば。」
君は少し寂しそうに答えた。人はそれぞれ問題を抱えているものだけれど、彼女は少しその問題が大きいんだろうなって思った。でも、それ以上に君は魅力的でそれすらも知りたくなってしまう。
「ひなさん、夏休みなんだろうね。」
「夏休み?」
「そう、人生の夏休み。」
「ごめんなさい。これ以上は…。私の中で整理がついてないの。」
君の悲しそうな言い方にちょっと慌てる。
「ごめん。」
「ううん、当然だと思う。私が悪いの。」
デザートをつつきながら君は言う。
「私、今まで遊んだ事が無くて…。人生で初めて遊んでるところなの。」
「初めて?」
「初めて。だから知らないとこに来たの。」
「それちょっと分かるな。誰も知らないところで自由にって。でも、ひなさんは綺麗だから目立つかもね。」
「別に綺麗って訳じゃ。」
「綺麗だよ。だからひなさんを誘ったんだよ。」
「…ありがとう…。」
「ね、自分をもっと認めてあげてよ。ひなさんは素敵な女性だし、仕事も良く分からないけどきっと一生懸命働いて生きてきたんだよ。」
君は少し微笑む。
「そう言って貰えるとちょっと救われるかな。」
「良かった。」
本当に良かったと思った。君は自分を癒している最中で、俺の言葉に傷ついたりして欲しく無いと思ったから。
「ありがとう。」
「ううん、こちらこそありがとう。ひなさんと食事出来て楽しかった。」
「食事したらもう寝ちゃう?」
「え?別に決めて無いけど…。」
「散歩しない?」
君に誘って貰えるなんて思わなかったから、ちょっと驚く。
「いいの?」
「うん、でも駄目ならいいけど。」
「行くよ。喜んで。」
俺は会計を済ませる。二人で並んで店を出ると君は丁寧にお礼を言う。
「御馳走様でした。」
俺達はそのままロビーを抜けて夜の海へ向かった。
「ねぇ、ひなさんは何をしてる人?」
「んー、何もしてないの。」
「家事手伝いだ。」
「婉曲に言えばそうかもしれないけど、仕事辞めちゃった。」
「じゃあ、沢山会えるかな?」
ちょっと意外そうな顔をする。
「そう言われるとは思わなかったな…。でも、お茶する位は大丈夫。」
「じゃあ、また誘っても構わない?」
「うん、タイミングが合えば。」
君は少し寂しそうに答えた。人はそれぞれ問題を抱えているものだけれど、彼女は少しその問題が大きいんだろうなって思った。でも、それ以上に君は魅力的でそれすらも知りたくなってしまう。
「ひなさん、夏休みなんだろうね。」
「夏休み?」
「そう、人生の夏休み。」
「ごめんなさい。これ以上は…。私の中で整理がついてないの。」
君の悲しそうな言い方にちょっと慌てる。
「ごめん。」
「ううん、当然だと思う。私が悪いの。」
デザートをつつきながら君は言う。
「私、今まで遊んだ事が無くて…。人生で初めて遊んでるところなの。」
「初めて?」
「初めて。だから知らないとこに来たの。」
「それちょっと分かるな。誰も知らないところで自由にって。でも、ひなさんは綺麗だから目立つかもね。」
「別に綺麗って訳じゃ。」
「綺麗だよ。だからひなさんを誘ったんだよ。」
「…ありがとう…。」
「ね、自分をもっと認めてあげてよ。ひなさんは素敵な女性だし、仕事も良く分からないけどきっと一生懸命働いて生きてきたんだよ。」
君は少し微笑む。
「そう言って貰えるとちょっと救われるかな。」
「良かった。」
本当に良かったと思った。君は自分を癒している最中で、俺の言葉に傷ついたりして欲しく無いと思ったから。
「ありがとう。」
「ううん、こちらこそありがとう。ひなさんと食事出来て楽しかった。」
「食事したらもう寝ちゃう?」
「え?別に決めて無いけど…。」
「散歩しない?」
君に誘って貰えるなんて思わなかったから、ちょっと驚く。
「いいの?」
「うん、でも駄目ならいいけど。」
「行くよ。喜んで。」
俺は会計を済ませる。二人で並んで店を出ると君は丁寧にお礼を言う。
「御馳走様でした。」
俺達はそのままロビーを抜けて夜の海へ向かった。