偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~
必ず一週間に一回は彼を見かける。だから、きっとこの店の常連さんなのだろう。叔父に聞けば、彼のことをなにか教えてくれるかもしれないとも思ったけれど、あの叔父の性格だ。絶対ニヤニヤして茶化されるに決まってる。
でも、あの人……どっかで見たことあるような気がするんだけどな。
その“どっか”が思い出せず、結局、気のせいということにして二杯目のモスコミュールを飲み終わる。そして、なにげなくバッグの中からスマホを取り出してみると、優香からメールが入っていた。
【大事な話があるの。できるだけ早く帰ってきて!】
大事な話ってなんだろう? わざわざメールしてくるなんて……どうしたのかな。
私はすぐに【今、叔父さんお店。今から帰るね】と返信すると、店を出る前に手を振って叔父に挨拶をした。
テラス席にはまだあの紳士が座っている。店を出る際、すぐ横を通り過ぎるのだけれど……そう思うと一気に緊張してきた。ドキドキと心臓が波打って、俯き加減で足早に店を出ようとしたとき、一番近い距離でチラッと視線を向けてから思わずドキリとした。
え……?
気のせいだと思うけれど、自意識過剰なんじゃないかって思うけれど……彼も私を見ていた。
そして、なんとなく彼の唇が少しだけやんわり笑った気がした――。
でも、あの人……どっかで見たことあるような気がするんだけどな。
その“どっか”が思い出せず、結局、気のせいということにして二杯目のモスコミュールを飲み終わる。そして、なにげなくバッグの中からスマホを取り出してみると、優香からメールが入っていた。
【大事な話があるの。できるだけ早く帰ってきて!】
大事な話ってなんだろう? わざわざメールしてくるなんて……どうしたのかな。
私はすぐに【今、叔父さんお店。今から帰るね】と返信すると、店を出る前に手を振って叔父に挨拶をした。
テラス席にはまだあの紳士が座っている。店を出る際、すぐ横を通り過ぎるのだけれど……そう思うと一気に緊張してきた。ドキドキと心臓が波打って、俯き加減で足早に店を出ようとしたとき、一番近い距離でチラッと視線を向けてから思わずドキリとした。
え……?
気のせいだと思うけれど、自意識過剰なんじゃないかって思うけれど……彼も私を見ていた。
そして、なんとなく彼の唇が少しだけやんわり笑った気がした――。