偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~
こんな風に喜んでくれるなんて……。
隣に座る水城さんに少し照れ笑いを向けると、彼も優しく笑ってくれた。すると、叔父が背を向けてもてなしのお酒を棚から選んでいる隙を見計らって、水城さんが私の耳元に唇を寄せた。
「照れてる君の顔、すごく可愛いな」
「ッ!? も、もう、いきなり……」
それって、優香メイクじゃない素の私を見て言ってくれてるんだよね?
まさか、今夜水城さんと会うなんて思っていなかったから、髪も結んで眼鏡で化粧もほとんどしていないいつもの地味な格好だ。彼はそれでも可愛いと言ってくれる。やっと“有坂愛美”を見てもらえているようで嬉しかった。
「今夜は君のことを迎えに行こうと思って来たんだ。もちろん演奏もテラスで聴いてたよ、せっかく叔父さんが飲み物を用意してくれてるみたいだし、送りはタクシーでいいか?」
もちろん水城さんが車かどうかそんな気遣いをするはずもなく、叔父はいそいそと自分が選んだワインのコルクを開けている。
「タクシーだなんて、電車で大丈夫ですよ」
「ったく、愛美ちゃんは男心がわかってねぇなぁ、なるべくふたりきりでいたいから水城さんもそう言ってくれてるんだろ? 気づけって」
そう言いながら、叔父はカウンターに赤ワインが注がれたグラスを置いた。
「……そういうこと、だな」
顔をこちらに向けずに水城さんが流し目で私を見る。叔父に言われてなんだか少し恥ずかしそうだ。
隣に座る水城さんに少し照れ笑いを向けると、彼も優しく笑ってくれた。すると、叔父が背を向けてもてなしのお酒を棚から選んでいる隙を見計らって、水城さんが私の耳元に唇を寄せた。
「照れてる君の顔、すごく可愛いな」
「ッ!? も、もう、いきなり……」
それって、優香メイクじゃない素の私を見て言ってくれてるんだよね?
まさか、今夜水城さんと会うなんて思っていなかったから、髪も結んで眼鏡で化粧もほとんどしていないいつもの地味な格好だ。彼はそれでも可愛いと言ってくれる。やっと“有坂愛美”を見てもらえているようで嬉しかった。
「今夜は君のことを迎えに行こうと思って来たんだ。もちろん演奏もテラスで聴いてたよ、せっかく叔父さんが飲み物を用意してくれてるみたいだし、送りはタクシーでいいか?」
もちろん水城さんが車かどうかそんな気遣いをするはずもなく、叔父はいそいそと自分が選んだワインのコルクを開けている。
「タクシーだなんて、電車で大丈夫ですよ」
「ったく、愛美ちゃんは男心がわかってねぇなぁ、なるべくふたりきりでいたいから水城さんもそう言ってくれてるんだろ? 気づけって」
そう言いながら、叔父はカウンターに赤ワインが注がれたグラスを置いた。
「……そういうこと、だな」
顔をこちらに向けずに水城さんが流し目で私を見る。叔父に言われてなんだか少し恥ずかしそうだ。