偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~
「自分のことよりも他人のことを優先して考える君を、いじらしくてますます好きになったんだ」

「水城さん……」

こんな自分のことを陰から見ていてくれて、そして好きと言ってくれる水城さんが愛おしくてたまらない。

もっともっと好きって気持ちを伝えるにはどうしたらいいの……?

切なくてもどかしい、それは初めて味わう“愛するということ”だった――。


そして翌日。

「……ん」

頬になにか柔らかいものが触れ、くすぐったくてうっすらと目を開ける。

ニャーゴ!

「わっ!」

ものすごい近距離でシオンが私の顔を覗き込んでいて、私は驚いて飛び起きた。

なんだ、シオンちゃんだったのね……一瞬何かと思った。

そして同じタイミングで水城さんが部屋をノックして入ってくる。

「起きたのか?」

「水城さん、おはようございま……ッ!?」

起きたのはいいけれど、上半身何も身につけていないことに気づいて、私は慌てて布団を胸元に手繰り寄せた。
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