偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~
「え? そうなんですか? うーん、それは困ったな……わかりました、そういうことなら仕方ありません、いえ、では」
シャワーを浴びて、服に着替えてからリビングに行くと水城さんが誰かと電話をしている会話が聞こえた。電話をし終わった彼の表情は曇り顔で芳しくない。
「どうかしたんですか?」
「いや、なんでもないんだ。座ってくれ」
水城さんは私の存在に気がつくと、パッと顔を明るくしてスマホをキッチンカウンターに置いた。
綺麗に焼けたオムレツ、ベーコンにサラダ、そしてトーストが並べられた食卓に促されて座る。
「いただきます。こんなしっかりした朝食久しぶりです」
「それならよかった」
見ると、部屋の隅でシオンがカリカリ言わせながらひと足先に食事していた。
「君と朝食を一緒にできると思うと馬鹿みたいに朝早くからそわそわしてしまって……朝、五時に目が覚めた」
「五時? じゃあ、あんまり眠れなかったんじゃ……私が隣にいたから?」
「その逆、君が隣にいたから俺もよく眠れた」
水城さんが作ってくれたオムレツは柔らかくてほんのり甘い、叔父の作ったオムレツも美味しいけれど、恋人が自分のために作ってくれたオムレツは別格だった。
さっきの電話、仕事の話だったのかな……やっぱり水城さん、なんとなく考え込んでいるような……。
シャワーを浴びて、服に着替えてからリビングに行くと水城さんが誰かと電話をしている会話が聞こえた。電話をし終わった彼の表情は曇り顔で芳しくない。
「どうかしたんですか?」
「いや、なんでもないんだ。座ってくれ」
水城さんは私の存在に気がつくと、パッと顔を明るくしてスマホをキッチンカウンターに置いた。
綺麗に焼けたオムレツ、ベーコンにサラダ、そしてトーストが並べられた食卓に促されて座る。
「いただきます。こんなしっかりした朝食久しぶりです」
「それならよかった」
見ると、部屋の隅でシオンがカリカリ言わせながらひと足先に食事していた。
「君と朝食を一緒にできると思うと馬鹿みたいに朝早くからそわそわしてしまって……朝、五時に目が覚めた」
「五時? じゃあ、あんまり眠れなかったんじゃ……私が隣にいたから?」
「その逆、君が隣にいたから俺もよく眠れた」
水城さんが作ってくれたオムレツは柔らかくてほんのり甘い、叔父の作ったオムレツも美味しいけれど、恋人が自分のために作ってくれたオムレツは別格だった。
さっきの電話、仕事の話だったのかな……やっぱり水城さん、なんとなく考え込んでいるような……。