偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~
朝、この部屋を出たときは心穏やかじゃなかった。けれど、今は幾分落ち着いてハァとひとり息をつく。
「明日は土曜日だし、ずっと一緒にいるから安心してね。水城さんも帰ってくるから」
部屋に戻ると、シオンは喉が渇いていたのか水をペロペロと舐めだした。そして、今朝残したご飯も少し食べた。
よかった、少しは元気になってくれたみたいだね。それにしても……。
優香から聞いた川野さんの事がどうしても引っかかって気持ちが晴れなかった。
どうしよう……。
今日のプレゼンは結果によっては父に川野さんのことを認めさせるチャンスだったかもしれない。
そんなことを思っているとスマホが鳴った。画面を見ると水城さんからだった。
「もしもし?」
『ああ、やっと話せたな』
今はサマータイム中で、イタリアとの時差は日本のほうが七時間進んでいる。今午後一時だから、イタリアは朝の六時だ。
「すみません、何度か電話もらってたのに出られなくて」
『いや、いいんだ。君も忙しいだろうし、声を聞けて安心した』
電話の向こうで発着のアナウンスが聞こえる。
早く会いたい……。
今まで一週間会わなかったことだってあったのに、互いに違う国にいると思うと、二日離れていただけでものすごく長い時間に感じてしまうのはなぜだろう。
「明日は土曜日だし、ずっと一緒にいるから安心してね。水城さんも帰ってくるから」
部屋に戻ると、シオンは喉が渇いていたのか水をペロペロと舐めだした。そして、今朝残したご飯も少し食べた。
よかった、少しは元気になってくれたみたいだね。それにしても……。
優香から聞いた川野さんの事がどうしても引っかかって気持ちが晴れなかった。
どうしよう……。
今日のプレゼンは結果によっては父に川野さんのことを認めさせるチャンスだったかもしれない。
そんなことを思っているとスマホが鳴った。画面を見ると水城さんからだった。
「もしもし?」
『ああ、やっと話せたな』
今はサマータイム中で、イタリアとの時差は日本のほうが七時間進んでいる。今午後一時だから、イタリアは朝の六時だ。
「すみません、何度か電話もらってたのに出られなくて」
『いや、いいんだ。君も忙しいだろうし、声を聞けて安心した』
電話の向こうで発着のアナウンスが聞こえる。
早く会いたい……。
今まで一週間会わなかったことだってあったのに、互いに違う国にいると思うと、二日離れていただけでものすごく長い時間に感じてしまうのはなぜだろう。