偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~
同じ姉妹なのに、父は母と離婚してから私には一切見向きもしなかった。浮気性のクセの悪い母に引き取られた娘のことなど、どうでもよかったのだろう。私も自分から父に連絡することをしなかった。だから、今でも父がどんな生活をしているかなんて知らない。父のことは嫌いじゃないのに、目に見えない溝があるみたいでなんだか虚しい。たぶん、優香はそんな私の胸の内を知らない。
「それでね……」
取り乱した気持ちをようやく落ち着かせ、優香が私に向き直る。
「愛美にお願いがあるの。一生のお願いっ」
パン!と顔の前で手を合わせ、優香は頭を下げる。
「まったく、優香の一生のお願いってこれで何度目よ。それで? お願いって?」
私は優香が可愛い。だからついこんな風にお願いされると嫌とは言えなくなってしまう。自分にできることなら協力してあげたい。たったひとりの姉妹だから。
「水城さんの恋人として、私と入れ替わって欲しいんだ」
「……は?」
目が点になっている私に優香が小悪魔スマイルを向けてくる。
「はぁ!? それって、恋人の振りしろってこと? ……水城さんの?」
「そう」
前言撤回! 可愛い妹のため……なんて甘い顔をした私が馬鹿だった。
私はリビングの中央にある小さなローテーブルに勢いよく両手をついて腰を浮かす。
「ちょ、なんなのそれ! なんで私が……どういうこと? もしかして、大事な話っていうのは……」
「う、うん……実はね」
「それでね……」
取り乱した気持ちをようやく落ち着かせ、優香が私に向き直る。
「愛美にお願いがあるの。一生のお願いっ」
パン!と顔の前で手を合わせ、優香は頭を下げる。
「まったく、優香の一生のお願いってこれで何度目よ。それで? お願いって?」
私は優香が可愛い。だからついこんな風にお願いされると嫌とは言えなくなってしまう。自分にできることなら協力してあげたい。たったひとりの姉妹だから。
「水城さんの恋人として、私と入れ替わって欲しいんだ」
「……は?」
目が点になっている私に優香が小悪魔スマイルを向けてくる。
「はぁ!? それって、恋人の振りしろってこと? ……水城さんの?」
「そう」
前言撤回! 可愛い妹のため……なんて甘い顔をした私が馬鹿だった。
私はリビングの中央にある小さなローテーブルに勢いよく両手をついて腰を浮かす。
「ちょ、なんなのそれ! なんで私が……どういうこと? もしかして、大事な話っていうのは……」
「う、うん……実はね」