偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~
そして週明け。
「え? 私と健太さんをパリメラのレストランに招待したいって? ほんと? 水城さんがそう言ったの?」
仕事が終わり、イルブールで演奏してからアパートに帰ると、私はすでに帰宅していた優香に開口一番にそう伝えた。
「うん、是非って」
――優香さんと川野君をうちのレストランに招待できないか?
――川野君のことは俺に考えがあるんだ。このままじゃ、彼に申し訳ないだろう? だから、そう伝えておいて欲しいんだ。
水城さんは律儀な人。なにか考えがあるみたいだけれど、川野さんにこのままお礼を言わずにいるのは面目ないと言って、私にそう提案してきた。
優香は会社帰りに買ってきたスイカにかぶりつきながら、その提案を聞くと目を丸くした。
「健太さん、水城さんリスペクトだし喜ぶと思う。パリメラのイタリアン、美味しいから私も楽しみ!」
「それならよかった。当日、私と水城さんも同席することになってるんだ。本当は……キャンセルしたプレゼンが採用されていたら、お父さんにだって川野さんのこと認めてもらえるチャンスだったかもって思うと、私も気が引けるよ」
声のトーンを落とすと、優香はゆっくり首を振った。
「え? 私と健太さんをパリメラのレストランに招待したいって? ほんと? 水城さんがそう言ったの?」
仕事が終わり、イルブールで演奏してからアパートに帰ると、私はすでに帰宅していた優香に開口一番にそう伝えた。
「うん、是非って」
――優香さんと川野君をうちのレストランに招待できないか?
――川野君のことは俺に考えがあるんだ。このままじゃ、彼に申し訳ないだろう? だから、そう伝えておいて欲しいんだ。
水城さんは律儀な人。なにか考えがあるみたいだけれど、川野さんにこのままお礼を言わずにいるのは面目ないと言って、私にそう提案してきた。
優香は会社帰りに買ってきたスイカにかぶりつきながら、その提案を聞くと目を丸くした。
「健太さん、水城さんリスペクトだし喜ぶと思う。パリメラのイタリアン、美味しいから私も楽しみ!」
「それならよかった。当日、私と水城さんも同席することになってるんだ。本当は……キャンセルしたプレゼンが採用されていたら、お父さんにだって川野さんのこと認めてもらえるチャンスだったかもって思うと、私も気が引けるよ」
声のトーンを落とすと、優香はゆっくり首を振った。