偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~
「でもね、私健太さんが家族を大切にしてくれる頼もしい人だって、今回のことでそう思ったの。気の弱いところもあるけど……私、お父さんに反対されたって健太さん以外考えられないよ。ますます惚れ直しちゃった」

優香はほんのり頬を染めて二ッと笑った。

「優香……」

シオンを病院へ連れて行くとき、私はどうしていいかわからず動揺しっぱなしだった。そんなとき、川野さんがどんなに心強かったか知れない。そんな彼だからこそ、優香とうまくいって欲しい気持ちが一層湧き上がった。

「健太さんには私から連絡しておくね、ありがとう」

「うん、よろしくね」

そう言って、優香から勧められたスイカに私もかぶりついた。
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