偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~
優香と川野さんそして水城さんの予定を擦り合わせて、リストランテ・パリメラに招待するのは週末ということになった。

この一週間、水城さんは相変わらず忙しそうにしていて、一度イルブールに時間が取れたからといって迎えに来たきり今週はろくに会えなかった。その代わり毎日のように電話やメールをかかさないでいてくれる。

水城さんはマメな人。彼のことが好きな理由のひとつでもある。

そして招待日当日。

私は一旦家に帰り、汗でべとついた身体をシャワーで洗い流して淡い水色のワンピースに着替えた。フォーマル過ぎず、カジュアル過ぎないお気に入りの一張羅だ。髪型も優香と被らないようにあらかじめ雑誌で研究しておいたスタイルで、巻き髪を少し結いあげて飾りのついたピンで留める。ローテーブルの上に化粧道具が散乱したまま、どうやら優香は先に着替えて出かけたようだ。

もう、片付けくらいしていけばいいのに、川野さんと一緒に行くつもりで急いでたのかな。

テーブルの上のものを軽くまとめると、約束の十九時に間に合うように私も支度を急いだ。
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