偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~
『うちの会社も参加してるから、同じ社員として、私も頼めば会場に入れると思うんだけど……』
「もう、優香、川野さんの立場も考えてあげなよ。それに、会場にお父さんが来たらどうするの?」
『うぅ、そ、そうだよね……ややこしくなるね』
あれから父は優香に私と会ったことは話していないようで、優香はいつも通りにしている。もちろん私も優香にはなにも言っていない。
てっきり“黙ってあの男と付き合ってるのか!”って言うかと思ったけれど……。
そう考えると、父の腹積もりがわからなくて不安になる。けれど、優香には甘い父のことだ、直接優香に言えずに二の足を踏んでいるのだろう。
「気になるのはわかるけど、川野さんから連絡してくるまで待ってるのがいいよ、ね?」
『でも……』
これは双子の直感だけど、なんだかいつもの優香らしくない。『健太さんなら大丈夫! 私はどーんと構えて家で飲んで待ってるよ』なんて言いそうなものなのに……。
「ねぇ、どうしてそんなに川野さんのプレゼンのことが気になるの? いつもの優香なら――」
『このプレゼンが成功したら、結婚しようって言われたの』
「……えっ!?」
け、結婚!?
「もう、優香、川野さんの立場も考えてあげなよ。それに、会場にお父さんが来たらどうするの?」
『うぅ、そ、そうだよね……ややこしくなるね』
あれから父は優香に私と会ったことは話していないようで、優香はいつも通りにしている。もちろん私も優香にはなにも言っていない。
てっきり“黙ってあの男と付き合ってるのか!”って言うかと思ったけれど……。
そう考えると、父の腹積もりがわからなくて不安になる。けれど、優香には甘い父のことだ、直接優香に言えずに二の足を踏んでいるのだろう。
「気になるのはわかるけど、川野さんから連絡してくるまで待ってるのがいいよ、ね?」
『でも……』
これは双子の直感だけど、なんだかいつもの優香らしくない。『健太さんなら大丈夫! 私はどーんと構えて家で飲んで待ってるよ』なんて言いそうなものなのに……。
「ねぇ、どうしてそんなに川野さんのプレゼンのことが気になるの? いつもの優香なら――」
『このプレゼンが成功したら、結婚しようって言われたの』
「……えっ!?」
け、結婚!?