偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~
「いいんです。水城さんとお付き合いしていることはもうバレてますし、隠すことなんて何もありません。多分、グチグチ嫌味を言われるかもしれませんけど……水城さんが傍にいるなら、怖くありません」

『君……』

ごくっと何度も喉を鳴らし、私はスマホを握りしめて水城さんの了承の言葉を待った。

『わかった。すまないが、お願いできるか? 俺も君のピアノが聴きたい』

「はい!」

意気揚々と返事をして電話を切り、そしてスマホをバッグに突っ込むと、私は急いで駅へ向かった。
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