偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~
第二章 まさかの相手
そして、あっという間に水城さんとのデート当日がやってきた。
「愛美、ほら、また耳朶いじってる」
「え? あ、うん、ごめん。なんか落ち着かなくて」
私は小さい頃から緊張すると無意識に耳朶をいじるクセがある。
髪を下ろしコンタクトにして、優香が使っている化粧もした。ベージュの半袖ニットワンピースに薄地のカーディガンを羽織って鏡を見ると、そこに映っている姿は自分でも優香とまったく見分けがつかなかった。こんなに優香とそっくりなんて、いまさらだけど我ながら感心してしまう。
「じゃあ、行ってくるね」
「はーい、いってら~」
にこにこ顔で手を振る優香に見送られて、私は家を出た。
面白くなってきた。なんて思ったけれど……私、大丈夫かな? ちゃんと優香になりきれてるよね?
不安と高揚が入り混じった奇妙な感じに、電車に乗っている間も私の心臓は休まることなく、ずっとドキドキしっぱなしだった――。
「愛美、ほら、また耳朶いじってる」
「え? あ、うん、ごめん。なんか落ち着かなくて」
私は小さい頃から緊張すると無意識に耳朶をいじるクセがある。
髪を下ろしコンタクトにして、優香が使っている化粧もした。ベージュの半袖ニットワンピースに薄地のカーディガンを羽織って鏡を見ると、そこに映っている姿は自分でも優香とまったく見分けがつかなかった。こんなに優香とそっくりなんて、いまさらだけど我ながら感心してしまう。
「じゃあ、行ってくるね」
「はーい、いってら~」
にこにこ顔で手を振る優香に見送られて、私は家を出た。
面白くなってきた。なんて思ったけれど……私、大丈夫かな? ちゃんと優香になりきれてるよね?
不安と高揚が入り混じった奇妙な感じに、電車に乗っている間も私の心臓は休まることなく、ずっとドキドキしっぱなしだった――。