偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~
爽やかな白いシャツに七分袖の黒いカジュアルなジャケットを羽織って、イルブールで見るスーツ姿も素敵だけれど、私服姿も清潔感があってもっと素敵だった。
「この店、久しぶりに来るんだ。ここのオーナーと知り合いでね、小さい店だけど料理はうまいから、一応コース料理を予約してある」
「ありがとうございます。楽しみです」
水城さんは「まずは乾杯」と言って、赤ワインの入ったグラスを合わせた。イルブールでも彼はよくワインを飲んでいる。
水城さん、ワインが好きなのかな……?
会話の中で墓穴を掘らないように慎重に言葉を選ばなければならない。そう思うと、益々気の利いた話題が思い浮かばなかった。
「一度会ってるんだし、肩の力を抜いて気楽に話そう」
水城さんには、私がガチガチに緊張しているのがお見通しのようでやんわりと笑いかけた。
そうだ。優香とは一度会ってるのにこんなに緊張してたら変だよね? なにから話そう。
無意識に握りしめていた膝の上のナプキンの皺をさっと伸ばし、私もその笑顔に応える。
「素敵なお店ですね。そういえば、水城さんはパリメラの社長さんなんですよね? 私、イタリアンは好きなんですけど、実はまだパリメラの店には行ったことがなくて……」
運ばれてきた前菜のテリーヌを口に運びながら苦笑いすると、水城さんが少し首を傾げた。
「え? 行ったことがない? そうか」
えっ!? ま、まずい。いきなり余計なこと言っちゃった!?
「この店、久しぶりに来るんだ。ここのオーナーと知り合いでね、小さい店だけど料理はうまいから、一応コース料理を予約してある」
「ありがとうございます。楽しみです」
水城さんは「まずは乾杯」と言って、赤ワインの入ったグラスを合わせた。イルブールでも彼はよくワインを飲んでいる。
水城さん、ワインが好きなのかな……?
会話の中で墓穴を掘らないように慎重に言葉を選ばなければならない。そう思うと、益々気の利いた話題が思い浮かばなかった。
「一度会ってるんだし、肩の力を抜いて気楽に話そう」
水城さんには、私がガチガチに緊張しているのがお見通しのようでやんわりと笑いかけた。
そうだ。優香とは一度会ってるのにこんなに緊張してたら変だよね? なにから話そう。
無意識に握りしめていた膝の上のナプキンの皺をさっと伸ばし、私もその笑顔に応える。
「素敵なお店ですね。そういえば、水城さんはパリメラの社長さんなんですよね? 私、イタリアンは好きなんですけど、実はまだパリメラの店には行ったことがなくて……」
運ばれてきた前菜のテリーヌを口に運びながら苦笑いすると、水城さんが少し首を傾げた。
「え? 行ったことがない? そうか」
えっ!? ま、まずい。いきなり余計なこと言っちゃった!?