偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~
第三章 週刊誌の疑惑
「はい。今夜十九時に大人一名で……即日予約ですみません、よろしくお願いします」
翌日の昼休み。
私は、いつものように会社の中庭にあるベンチに座って、散々悩んだあげく、ついにパリメラの予約を取った。水城さんに今度連れて行ってもらうのを待とうかとも思ったけれど、逸る気持ちを抑えられなかった。
ああ! 予約、本当に取っちゃった! 今夜は、今夜だけは偵察ってことで奮発しよう!
平日の夜でひとりだったからか、比較的予約も取りやすかった。本当は仕事終わりにふらりと立ち寄れるような場所ではないのだけれど、週末はもしかしたら水城さんに会うかもしれないし……と思い、時間を開けておくことにしたのだ。
ストーカー事件後以来、水城さんから連絡はない。
社長なんだもの、きっと仕事で忙しくしているに違いない。だから、私からも下手に連絡しないほうがいいよね。
私は握るスマホをじっと眺めた後、バッグにしまった。
優香の振りをして水城さんにバレるのが怖い。だから、そうならないようになんとか仕向けなきゃ。私がこうまでするのには、ほかにも理由がある。優香とその恋人のことだ。
荷が重い……でも、あのふたりがうまくいってくれるなら……。
そんなことをぼんやり考えながら、私は午後の仕事に戻った――。
翌日の昼休み。
私は、いつものように会社の中庭にあるベンチに座って、散々悩んだあげく、ついにパリメラの予約を取った。水城さんに今度連れて行ってもらうのを待とうかとも思ったけれど、逸る気持ちを抑えられなかった。
ああ! 予約、本当に取っちゃった! 今夜は、今夜だけは偵察ってことで奮発しよう!
平日の夜でひとりだったからか、比較的予約も取りやすかった。本当は仕事終わりにふらりと立ち寄れるような場所ではないのだけれど、週末はもしかしたら水城さんに会うかもしれないし……と思い、時間を開けておくことにしたのだ。
ストーカー事件後以来、水城さんから連絡はない。
社長なんだもの、きっと仕事で忙しくしているに違いない。だから、私からも下手に連絡しないほうがいいよね。
私は握るスマホをじっと眺めた後、バッグにしまった。
優香の振りをして水城さんにバレるのが怖い。だから、そうならないようになんとか仕向けなきゃ。私がこうまでするのには、ほかにも理由がある。優香とその恋人のことだ。
荷が重い……でも、あのふたりがうまくいってくれるなら……。
そんなことをぼんやり考えながら、私は午後の仕事に戻った――。