偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~
優しくて、綺麗で……水城さんの、恋人?
会社で見たネットのゴシップの見出しが脳裏によぎる。
――梨花さんって、パリメラの社長とお付き合いしてるんですか?
思わず喉まで出かかった質問をぐっと飲み込む。
だめだめ、いきなりこんな失礼なこと聞けないよ……。
「もしかして、今朝の週刊誌の記事を読んだ?」
「えっ?」
「なにか言いたそうな顔してるから、そうなのかなーって」
悶々として俯いていると、いきなり梨花さんが自分からその話題を口に出し、私はパッと顔をあげた。目が合うと、梨花さんがクスッと笑う。
梨花さんのカマかけに引っかかってつい反応してしまった。
「あれ、本当よ。油断してたらすっぱ抜かれちゃった。こういう噂はイメージダウンになるから気をつけてはいたんだけど」
梨花さんが明るく苦笑いして小さくため息をついた。
え……ほんとう、なの? やっぱり、水城さんって梨花さんと付き合ってるの?
先日、店のエントランス前で見た親し気なふたりの光景が真実味を帯びてくる。
手にしていたグラスから雫が滴って、私の指を濡らした。私はそれを拭う余裕もなく、ただ呆然とするしかなかった。
じゃあ、今までのことはなんだったの? 水城さんが本気だって言ったのは……?
なにがなんだかわからなくなる。混乱して頭の中の整理が追いつかないでいると、梨花さんがふふっと笑った。
「相手の大手企業社長って、水城さんのことなんですか?」
ついに我慢ならなくなって、思わず口を突いて出てしまった。表情を崩さない梨花さんを見て、それを肯定と取った私は自分で言っておきながらすぐに後悔した。
会社で見たネットのゴシップの見出しが脳裏によぎる。
――梨花さんって、パリメラの社長とお付き合いしてるんですか?
思わず喉まで出かかった質問をぐっと飲み込む。
だめだめ、いきなりこんな失礼なこと聞けないよ……。
「もしかして、今朝の週刊誌の記事を読んだ?」
「えっ?」
「なにか言いたそうな顔してるから、そうなのかなーって」
悶々として俯いていると、いきなり梨花さんが自分からその話題を口に出し、私はパッと顔をあげた。目が合うと、梨花さんがクスッと笑う。
梨花さんのカマかけに引っかかってつい反応してしまった。
「あれ、本当よ。油断してたらすっぱ抜かれちゃった。こういう噂はイメージダウンになるから気をつけてはいたんだけど」
梨花さんが明るく苦笑いして小さくため息をついた。
え……ほんとう、なの? やっぱり、水城さんって梨花さんと付き合ってるの?
先日、店のエントランス前で見た親し気なふたりの光景が真実味を帯びてくる。
手にしていたグラスから雫が滴って、私の指を濡らした。私はそれを拭う余裕もなく、ただ呆然とするしかなかった。
じゃあ、今までのことはなんだったの? 水城さんが本気だって言ったのは……?
なにがなんだかわからなくなる。混乱して頭の中の整理が追いつかないでいると、梨花さんがふふっと笑った。
「相手の大手企業社長って、水城さんのことなんですか?」
ついに我慢ならなくなって、思わず口を突いて出てしまった。表情を崩さない梨花さんを見て、それを肯定と取った私は自分で言っておきながらすぐに後悔した。