偽恋人からはじまる本気恋愛!~甘美な罠に溺れて~
ホテルビアント東京は品川にあるハイグレードなラグジュアリーホテルだ。
私は初めて来るけれど、優香は会社のパーティーやらなんやらで何度か来ている。
エントランスには謝恩会の来賓客なのか、数台の高級車からイブニングドレスを身に纏った高貴な人たちがぞろぞろと降りてくるのが見受けられた。
私も見劣りしないように優香に髪の毛をアップに整えてもらい、季節感のある淡いブルーのドレスを着て、社交場に出られるようなそれなりの恰好をしているつもりだ。
オフショルダーだからなんだか胸元が心もとないな……スースーする。
こんなドレスを着る機会なんてほとんど無縁の私は、落ち着かない気持ちのまま優香から借りたパーティーバッグをぐっと握ってホテルの中に入って行った。
わ、すごい……。
目の前に広がる光景に目を奪われて、私は感嘆のため息をついた。
ホテルのロビーは、ピカピカに磨かれた黒い大理石の床と真っ白い壁がモノトーンで調和されていて、床のサイドから浮かび上がるような間接照明が非日常的な空間を醸し出していた。すぐ正面にはガーベラ、アジサイ、アガパンサスといった季節の生け花が堂々と飾られているのが見える。それは緊張した心を和ませてくれて、広々としたロビーにほんのり夏の匂いを感じた。
「優香、ここにいたのか」
生け花に見惚れていると、背後から声をかけられてハッと振り向く。
私は初めて来るけれど、優香は会社のパーティーやらなんやらで何度か来ている。
エントランスには謝恩会の来賓客なのか、数台の高級車からイブニングドレスを身に纏った高貴な人たちがぞろぞろと降りてくるのが見受けられた。
私も見劣りしないように優香に髪の毛をアップに整えてもらい、季節感のある淡いブルーのドレスを着て、社交場に出られるようなそれなりの恰好をしているつもりだ。
オフショルダーだからなんだか胸元が心もとないな……スースーする。
こんなドレスを着る機会なんてほとんど無縁の私は、落ち着かない気持ちのまま優香から借りたパーティーバッグをぐっと握ってホテルの中に入って行った。
わ、すごい……。
目の前に広がる光景に目を奪われて、私は感嘆のため息をついた。
ホテルのロビーは、ピカピカに磨かれた黒い大理石の床と真っ白い壁がモノトーンで調和されていて、床のサイドから浮かび上がるような間接照明が非日常的な空間を醸し出していた。すぐ正面にはガーベラ、アジサイ、アガパンサスといった季節の生け花が堂々と飾られているのが見える。それは緊張した心を和ませてくれて、広々としたロビーにほんのり夏の匂いを感じた。
「優香、ここにいたのか」
生け花に見惚れていると、背後から声をかけられてハッと振り向く。