似た者同士の恋物語
☆6★


「…」


鴻鳴先輩にメールを送った後


道ばたに座り込んでしまっていた私は
立ち上がって、とぼとぼと力なく歩き出す


……人通りが少ない道で良かった


泣きながら道ばたに座り込んでる人がいたら
誰だって何事だと振り返るだろう


もう遅い時間だった事もあってか


幸いな事に


誰かと会うことも
誰かに見られることもなかった



……
……早く帰りたい


部屋に閉じこもって大声で泣きたい



「……」



鴻鳴先輩に送ったメールを見返して


また、涙がにじむ




……自分から、切っちゃった


鴻鳴先輩との繋がりを


唯一の「時間」を



…………自分で決めたのに



それが悲しくて辛くて



……苦しい

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