似た者同士の恋物語
「う、ういちゃん……?」


私よりも小さなその体に
すがるように抱きついたまま泣いて離れない私に

当たり前だけどつむぎちゃんは困惑してる


「……うい?」


滲んだ視界の先の倖お兄ちゃんも
いつもみたいな意地悪な顔じゃなくて

本当に心配するような顔で



どうしたの?と声を揃えて
優しく聞いてくるふたりにますます涙は溢れて


私は泣きじゃくるだけで

まともに声を返せなくて







…………つむぎちゃんと倖お兄ちゃんみたいになりたかった


私もふたりみたいに幸せそうに
鴻鳴先輩と笑い合いたかった


だけど、もう……



「……っふ、ぅ……えっ」

「…」



しゃくりあげる私の頭を撫でる優しい手


何度も何度も


つむぎちゃんは繰り返し撫でてくれる
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