似た者同士の恋物語
……一人称が「僕」じゃなくて『俺』だった


『素』が出てくるくらい


今の私の状態に
倖お兄ちゃんは動揺したって事だ


ものすごく心配してる


……そんな倖お兄ちゃんに

大丈夫って
心配かけてごめんねって
ありがとうって

言いたかったけど、出来なかった



黙って見送る事しか出来なかった



……
……
……



「はい、冷たいココア」

「…………ありがとう」



持ってきたココアをテーブルの上に置いて
つむぎちゃんはすとんと私の横に座った


体育座りでクッションを抱き締めたまま
うつ向く私


その隣でつむぎちゃんは何も言わずに
ココアを飲んでる




……つむぎちゃんはいつだってそう



自分からは何も聞かない


相手が話すのを黙って待ってる


話さなくてもずっと傍にいてくれる

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