似た者同士の恋物語
……
……
……


「…………だめだったの」

「うん」


「……先輩には別に好きな人がいて
その人も先輩が好きで」

「うん」


ぽつりぽつりと話し出した私に
つむぎちゃんは静かに相づちを打つ


「……私、勘違いしてたの……
勝手に……」


鴻鳴先輩が好きなのは私だって


つけたままのネックレスをぎゅっと握りしめる

鴻鳴先輩に貰ったもの


……プレゼントしてもらって、浮かれてたんだ


「特別」だなんて勘違いしたんだ



「……自意識過剰だったの」



全部、私の思い込みだったの



「……全然、……両思いなんかじゃ、……なかった…」



言葉を絞り出す度に声の震えが大きくなって



ようやく収まったと思ってた涙がまた
目の縁に溜まってく

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