似た者同士の恋物語
「……つづりさん、ありがとうございます」


表情を緩めた俺を見て
つづりさんは嬉しそうに頷いた


「あ、今の話
秋鳴には内緒ね」

「誰に内緒だって?」

「!」


しーっと人指し指を唇に当てて
子供みたいに笑うつづりさん


そんなつづりさんの後ろから響く無愛想な声




俺達の背後に秋兄が立っていた


音もなく帰ってきた秋兄にびっくりして
目を丸くする俺達


秋兄は怪訝そうに首を傾げてる



「お、おかえり、秋鳴」

「おかえり」


「ああ。
……お前、変な事鴻鳴に話してねーよな?」

「……ハナシテナイヨー」

「なんで片言なんだよ」


あからさまに動揺するつづりさんに
ったく……っとため息をつきながら
秋兄は俺に顔を向けた


「悪口には慣れてっけど、間に受けんなよ?」
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