似た者同士の恋物語
無言だったけど
心覚えがあったみたいで、三崎の涙がほんの少し弱まって

この子にとって
支えになるような相手がいることに安心して


俺は言葉を続けた


『それに嫌なことばかり続かないよ
同じくらい良いことも起こるから』


ありきたりな慰めだったけど

実際、そういう事はあるから



俺も、その日は朝から色々あって

目覚ましが壊れてて寝過ごして
授業に遅れるわ

大事な課題を家に置き忘れて
先生にこっぴどく叱られるわ

あげくのはてに階段から足を踏み外して
盛大にすっ転ぶし…

まぁ軽い打撲で済んだのは幸いだったけど……


散々な一日だった


それでも



昼近くに降った天気雨


その最中に現れた鮮やかな2重の虹
< 165 / 192 >

この作品をシェア

pagetop