似た者同士の恋物語

落ち込んでる時は
どうしても視線を下に向けてしまう

うつ向いてしまう

けど、そういう時こそ視線をあげて欲しい

ほんの少しでいい


その気持ちを覆してくれるものが
きっとそこにあるから



『…』



三崎は何も言わなかったけど



『……涙、止まって良かった』



辛そうに歪む表情が消えた事に
俺は本当に安心して

自分の事のように嬉しくなって笑いかけた




『………ありがとう、ございます』




…………そんな俺を見て、黙り込んでいた三崎が


小さく俺にそうお礼を言って、笑った



『…』



その時に見せた控え目な可愛らしい笑顔に

……俺は見惚れてしまって



……
……
……俺、もしかしたら


この子の事、好きになったかもしれないって


そう思った