似た者同士の恋物語
秋兄は気にせず好きな事をやれって言ってくれたけど

俺ばかり、秋兄や母さんに甘えるのは嫌だったから


秋兄みたいにてきぱき家事は出来ないし
要領が悪いから勉強とバイトの両立も難しくて
毎日バイトしたりも出来ないけど


手伝い程度なら俺にだって出来る
自分の学費も多少は稼げる



「…まあ、今思えば運動部入らなくて大正解だ」


運動部に入ってたら
雑務係になることはなくて

三崎に再会することもなく
ここまで距離を縮められる事もきっとなかった


好きだって思っても
きっかけがなければ

俺はきっと、自然と三崎を諦めてたから



……そう思うと、本当に不思議だって思う


自分の日々のちょっとした選択で
その後の未来が大きく変わる



いくつもの分岐の中から選んだ「今」



納得のいく未来になるように



俺は祈った
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